古来、筑波山は、関東地方のランドマークとしての役割を担うとともに、山岳信仰の対象や神仏習合の霊場、江戸の鬼門を守る霊山として、遠方から多くの人々が訪れる山でした。
山頂や中腹にある筑波山神社の本殿・拝殿や、山麓に残る古い神社や仏閣は、このような筑波山の信仰の歴史を今に伝えています。
筑波山は、奈良時代につくられた万葉集や常陸風土記にも登場し、江戸時代には「西の富士、東の筑波」と称されるとともに、俳句を通じて「紫峰」とよばれるようになりました。
また、近代文学や絵画においても、自らの心情を映す山として盛んに取り上げられています。
このように、多くの先人の心をとらえ、この地域の歴史や文化を育んできた筑波山の美しい姿、自然と風土は、今も原風景として地域の人々に愛されています。