筑波山北方の南北方向に連なる加波山、足尾山やきのこ山などの山々は、「加波山花崗岩」と呼ばれる主に細粒の黒雲母花崗岩によって形成されている。加波山山頂近くでは、風化・侵食、節理(せつり)で形成された加波山花崗岩の巨石や奇岩が多く見られる。
加波山花崗岩は、構成鉱物の大きさが均一で不純物も少ないことから良質の石材とされ、明治時代以降は「真壁石」として迎賓館(旧赤坂離宮)など日本を代表する近代建築に用いられた。
昭和に入ると、筑波研究学園都市の開発の際にこれらの石材が使われた。
また、江戸時代から続いていた真壁石燈籠(とうろう)は、平成7年から国の伝統工芸品に指定されている。
加波山麓の真壁台地上には、中世以降真壁氏が支配した真壁城跡(国指定史跡)があり、城下町の町割りが残された真壁地区は、平成22年から国選定重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
ここには、加波山由来のマサ土を使った梵鐘などの鋳造業や、加波山麓の湧水を使った酒や味噌などの醸造業といった伝統産業などが今も残っている。