酒寄地区には、山麓緩斜面堆積物で形成された水はけのよい斜面が広がり、眼下に広大な関東平野を望むことができる。
この斜面上には、冬季に「斜面温暖帯」が形成され、冬季に氷点下になったり霜が降りたりすることが少ないため、ウンシュウミカンや在来種のフクレミカンなどの栽培が盛んである。
10月下旬~12月上旬の収穫期には、みかん狩りを楽しむことができる。
椎尾山薬王院は、延歴元年(782年)最仙上人による創建と伝えられる古刹である。
その境内では、樹齢500年を超えるスダジイの樹叢(茨城県の天然記念物)を含む暖温帯性の常緑広葉樹林が見られる。
また、椎尾山に登る林道沿いでは、マサ化した筑波花崗岩が断続的に露出し、本堂脇に転がる筑波花崗岩の巨礫表面では、捕獲岩(ゼノリス)としてマグマ中に取り込まれた堆積岩の破片を見ることができる。