小町山では、主に筑波変成岩(砂質・泥質ホルンフェルス)と筑波花崗岩由来のペグマタイトやミグマタイト(混成岩)が見られる。
砂質ホルンフェルス中には原岩の平行葉理や斜交層理、上方細粒化などの堆積構造が残っている。
ペグマタイトの多くは脈状で、白雲母、石英やカリ長石の巨晶に富む。
東城寺の参道沿いには、風化が進行した筑波変成岩が露出しており、花崗岩質マグマ由来で主に長石や石英からなるアプライト脈がなければ砂岩層に見える。
また、山門近くでは、筑波変成岩の粗大な角礫を多く含み、礫間がシルト質砂で充填され、やや固結した山麓緩斜面堆積物が見られる。さらに小町の里や清滝寺本堂の裏山には、マサ化の進行した筑波花崗岩が見られる。
東城寺は、延暦15年(796年)、桓武天皇の勅願で最仙が創立したと言われる古刹で、この東城寺を中心とした山ノ荘地域には、筑波変成岩でできた板碑、筑波花崗岩でできた石仏や五輪塔などが存在し、茨城県または土浦市の文化財に指定されているものも多い。
また、山ノ荘地区の東端に位置する本郷地区には、古くから石切や加工を生業とする人々が活躍し、戦後まで花崗岩の採取が行われた石切場跡がある。