筑波山北東に位置する峰寺山周辺では、筑波花崗岩と筑波変成岩が分布し、局所的に球状花崗岩と呼ばれる長径数cmの卵型組織が多数発達した花崗岩を見ることができる。
この組織は放射状に成長した菫青(きんせい)石などからなり、マグマだまりに取り込まれた堆積岩片が融けて液状の球体となり結晶化した非常に珍しいものである。
この花崗岩は地元で「小判石」と呼ばれ、その学術的価値と希少性から茨城県指定の天然記念物になっている。
峰寺山西光院は、大同2年(807年)徳一大師の創建とされ、懸造りの本堂(茨城県指定文化財)からは八郷盆地から太平洋まで見渡すことができ、「関東の清水寺」と呼ばれている。
この寺の本尊である石仏は、筑波花崗岩露頭をそのまま使ったものである。
この筑波花崗岩には、白雲母やカリ長石の巨晶が多く含まれ、筑波変成岩が捕獲岩として取り込まれた様子などを観察することができる。
十三塚では、冬季に形成される斜面温暖帯と水はけのよい山麓緩斜面を利用した果樹栽培が盛んで、標高の高いところでは温州みかんや福来みかんが、低いところでは梨やぶどうなどが栽培されている。
また、筑波山麓の清流を原動力に水車を回し、自然乾燥させた筑波山産の杉の葉を突き、その粉を清水とともに練り上げる「水車杉線香」は、本地域の特産品の一つとなっている。
※ 落石のため、現在、峰寺山西光院付近にある球状花崗岩の見学場所は立入禁止となっています。立入禁止が解除され次第、改めてお知らせします。御理解のほどよろしくお願いします。