笠間盆地北方の滝野不動堂境内では、鶏足山塊八溝層群の付加体堆積物中の石灰岩塊の一部が陸上に露出している。
この石灰岩は、遠洋の海山上の浅海域で形成されたと考えられている。
その表面は、長い年月をかけて雨水などで溶かされてできた、小規模なカルスト地形が見られる。
笠間盆地の標高60m前後の地点には、最終間氷期以前の温暖な海進期に形成された友部層と呼ばれる主に浅海域で形成された地層が分布する。
砂が卓越する地層では、ハンモック状葉理がよく発達し、砂鉄が多く含まれる。
一方、シルト質の粘土層では、生痕や生物擾乱の跡が見られる。
この粘土層から採れる粘土は「蛙目(がいろめ)粘土」と呼ばれ、江戸時代から続く伝統工芸品の笠間焼の胎土として用いられている。
これらの胎土の精製や笠間焼の焼成の工程は、「笠間焼協同組合」や「笠間陶芸大学校」などで見学できる。