とがった2つの頂と、なだらかなすそ野をもつ筑波山。
そのかたちは、富士山のような火山のかたちに似ていますが、噴火でできた山ではありません。
筑波山は、約8000万年〜6000万年前、マグマが地下深部でゆっくり冷え固まってできた岩石が、その長い年月をかけて地殻変動によって隆起してできた山なのです。
山頂〜中腹をつくる斑れい岩は、風化や侵食に強いものの、複数の大きな割れ目が発達しています。
一方、中腹を作る花こう岩は、風化によってボロボロになっています。
そのため、大雨や大きな地震の際には、上方から落ちてきた斑れい岩の岩石と風化した花こう岩がともに崩れ、たびたび土石流となって山麓まで流れ下ります。
火山のような筑波山の美しい姿は、主に過去の度重なる土石流によってつくり出されたものだったのです。