関東平野の北東部を流れる桜川や小貝川は、中流域から下流域までの勾配がゆるやかで、流路が大きく蛇行し、霞ヶ浦や利根川へ合流するという特徴をもっています。
またこれらの河川は、大雨などで流量がいっきに増えると、すみやかな排水が難しくなるため、氾濫や逆流などによる洪水被害をその流域にもたらしてきました。
一方、蛇行河川の流れや氾濫に伴う土砂の運搬や堆積、けずり込みは、自然堤防や氾濫原などの地形をつくり出します。
桜川や小貝川の流域には、これらの河川地形とともに、水辺で暮らす人々の知恵や信仰の歴史、今では貴重な湿地・里山の生態系がよく残されています。
私たちは、これらの自然や人々の営みを守るとともに、蛇行河川がもたらす脅威や恵み、自然との調和の大切さを後世に伝えていかなければなりません。